通信制中学は存在しない?不登校からの選択肢と仕組みを解説
「通信制中学」を探されている方は、今のお子様の状況に悩み、新しい学びの選択肢を探しているのではないでしょうか。
不登校になってしまったけれど、この先の学習や進路は大丈夫だろうか。そもそも通信制中学校は存在するのか、公立はあるのか、一覧で比較したい。また、中学校は行かなくても卒業できますか、といった切実な疑問や、中学生は何日休むとやばいですか、という出席日数への不安もあるかもしれません。
さらに、通信制中学の学費や、偏差値はいくつですか、といった具体的な情報、そして通信制サポート校で学歴は取れますか、という将来に関わる心配もあることでしょう。この記事では、それらの疑問に一つひとつ丁寧にお答えします。そして、通信制の中学校という選択肢を長野でお探しの方へ、現状の仕組みから具体的な学びの場まで、後悔や失敗のない選択をするための情報を分かりやすく解説していきます。
- 「通信制中学」という言葉の本当の意味がわかる
- 不登校に関する出席日数や卒業資格、学歴の不安が解消される
- フリースクールやサポート校の種類や費用、選び方のポイントがわかる
- 長野県内で検討できる具体的な選択肢として、長野日大ラボフリースクールを紹介
勘違い?通信制中学の仕組みと現状
この章では、「通信制中学」という言葉の正確な意味と、それに関連する出席や卒業資格、学歴に関する疑問について解説します。
- 通信制中学校は存在するの?
- 通信制中学は不登校でも大丈夫?
- 通信制サポート校で学歴は取れますか?
- 中学校は行かなくても卒業できますか?
- 中学生は何日休むとやばいですか?
通信制中学校は存在するの?
「通信制の中学校」を探している方へ、まず知っておくべき大切な点があります。それは、現在、不登校の生徒などが新たに入学できる「通信制中学校」という制度は、法律上存在しないということです。
では、なぜ「通信制中学」という言葉を見かけるのでしょうか。
一般的に「通信制中学」として紹介されているのは、多くの場合、民間企業やNPO、私立の通信制高校などが運営する「フリースクール」や「学習支援施設(サポート校の中等部など)」を指します。
これらは正式な中学校ではありませんが、在籍している中学校と連携することで、不登校の生徒たちの学びの場や居場所として機能しています。したがって、これらの施設に通う場合も、学籍は現在通っている(あるいは籍だけ置いている)中学校に置いたままになります。
通信制中学は不登校でも大丈夫?
はい、不登校の状態であっても全く問題ありません。むしろ、「通信制中学」と呼ばれるフリースクールやサポート校の多くは、さまざまな理由で学校に行きづらさを感じているお子さんのために作られた場所です。
これらの施設が不登校のお子さんにとって安心できる理由は、その柔軟な環境にあります。例えば、画一的な時間割ではなく、本人の学習ペースや興味に合わせたカリキュラムを組んでくれるところが多く見られます。また、少人数制で手厚いサポートが受けられたり、学習だけでなく心理的なケアを重視するカウンセラーが常駐していたりする施設もあります。
一方で、注意点もあります。それは、施設によって教育方針や雰囲気が大きく異なることです。毎日通学するスタイルもあれば、週に数日や好きな時間だけ通うスタイルもあります。学習指導をメインにするところ、体験活動を重視するところなど様々です。お子さんの性格や状況に合わない場所を選んでしまうと、かえって負担になる可能性も考えられます。そのため、事前の情報収集や施設見学がとても大切になります。
通信制サポート校で学歴は取れますか?
この質問への答えは、「通信制サポート校自体で、中学校の卒業資格という学歴は取れません」となります。少し複雑に聞こえるかもしれませんが、仕組みを理解すれば明確になります。
まず、サポート校は学校教育法で定められた「学校」ではなく、学習塾や予備校に近い位置づけの「教育サービス機関」です。主な役割は、通信制高校などに通う生徒がスムーズに卒業できるよう、学習面や精神面で支援(サポート)することです。近年では、そのノウハウを活かして中学生向けのコース(フリースクールや中等部)を設けるところが増えています。
これらの施設に通った場合、学籍はあくまで現在のお子さんが籍を置いている地域の中学校にあります。したがって、中学校の卒業資格(学歴)は、その在籍中学校から授与されることになります。サポート校に通うことは、在籍中学校を卒業するための「手段の一つ」と考えると分かりやすいでしょう。在籍中学校の校長が許可すれば、サポート校への通学が「出席扱い」となり、卒業要件を満たす手助けになるのです。
中学校は行かなくても卒業できますか?
原則として、中学校に全く通っていなくても、卒業できる場合がほとんどです。中学校は義務教育段階のため、出席が足りず留年したり、除籍したりということはありません。
もっとも考えるべきは、卒業できるかよりも、卒業後にどうするか、という部分です。
通信制の学校が運営するフリースクールなどでは、通っていくことで校舎に慣れ、そのまま通信制高校への進学につながるケースが多くなっています。
また、家庭と学校以外の相談場所を持つことによって、ストレスの緩和につながったり、新しい人間関係ができることも期待されます。
中学生は何日休むとやばいですか?
「年間で何日休んだら進級・卒業できない」という、法律で定められた明確な日数基準は、実は公立中学校にはありません。義務教育であるため、単純に欠席日数が多いことだけを理由に留年(原級留置)となることは、極めてまれです。
しかし、だからといって休み続けても問題ないわけではありません。欠席が長期化することによる影響は、主に以下の2つの側面から考えられます。
- 学習面の遅れと進路への影響欠席が続けば当然、授業の遅れが深刻になります。
- 社会性や自己肯定感への影響学校から長期間離れることで、友人関係が希薄になったり、集団生活への不安が大きくなったりすることがあります。また、「学校へ行けない自分」を責めてしまい、自己肯定感が低下するケースも少なくありません。
以下の表は、欠席日数と起こりうる影響の目安をまとめたものです。これはあくまで一般的な傾向であり、個々の状況によって大きく異なります。
欠席日数の目安 | 考えられる主な影響 |
~10日 | 定期テストの範囲などで一時的な学習の遅れが生じる可能性がある |
10日~30日 | 学習の遅れが目立ち始め、友人関係にも影響が出ることがある。高校受験で説明を求められる場合も |
30日以上 | 学習内容の定着が困難になり、高校進学の選択肢が狭まる可能性が高まる。心理的なケアも重要になる |
最も大切なのは、日数に一喜一憂するのではなく、お子さんにとって過ごしやすい居場所や、学びを続けるために、何が利用できるかを探すことかもしれません。
通信制中学という制度はないが、どういった居場所があるか
「通信制中学」という制度はないわけですが、不登校の状態にある小中学生のために、さまざまな居場所があります。どのような選択肢があるのでしょうか。この章では、公的な支援から民間の施設、そして具体的な選び方のポイントまでを掘り下げていきます。
- 通信制中学のような公立の選択肢
- 通信制中学にかかる学費の目安
- 通信制中学の偏差値は気にしなくていい
- 通信制中学の一覧から選ぶポイント
- 長野で探すなら通信制の中学校サポート
- 自分に合う通信制中学の代替案を探そう
公的な選択肢
民間のフリースクールやサポート校の他に、公的な機関が運営する不登校の児童生徒のための支援の場があります。それが「教育支援センター(適応指導教室)」です。
教育支援センターは、各市町村の教育委員会が主体となって設置・運営しています。公的な施設であるため、利用料が無料または非常に安価であることが最大のメリットです。ここでは、教員免許を持つ指導員や臨床心理士などの専門スタッフが、学習支援だけでなく、個別のカウンセリングやグループ活動を通じて、子どもたちの社会的自立や学校復帰をサポートします。
ただし、デメリットや注意点も存在します。まず、民間のフリースクールほど施設の数が多くないため、お住まいの地域によっては利用しにくい場合があります。また、基本的な目的が「学校への復帰支援」であることが多く、カリキュラムの自由度や選択肢は民間の施設に比べて限定的かもしれません。個々のニーズに合わせた柔軟な対応というよりは、集団生活に再び慣れるためのステップという位置づけが強い傾向にあります。お子さんの状況や求める支援の内容によっては、民間の施設の方がよりフィットすることもあるでしょう。
通信制中学にかかる学費の目安
「通信制中学」と呼ばれるフリースクールやサポート校の学費は、運営母体や提供されるサービスの内容によって大きく異なります。入学金として数万円~10万円程度、月々の授業料として3万円~10万円程度が一般的な相場と考えられます。
この費用の差は、主にサポートの手厚さから生じます。
学費の目安(月額) | 主なサービス内容の傾向 |
3万円~5万円 | 学習スペースの提供が中心。自学自習が基本で、スタッフは質問対応や見守り役。 |
5万円~8万円 | 教科指導(個別または少人数)に加え、定期的なカウンセリングや体験活動が含まれる。 |
8万円以上 | 1対1のきめ細かな学習指導、専門的な心理カウンセリング、多様な体験プログラム、進路指導などが充実。 |
このように、学費はサービス内容と比例する傾向にあります。例えば、単に学習の遅れを取り戻したいのであれば基本的なコースで十分かもしれません。しかし、メンタル面のケアや、特定の分野への興味を伸ばす活動を希望する場合は、より手厚いサポートのある施設を選ぶ必要があり、その分費用も高くなります。家庭の経済状況と、お子さんが何を必要としているのかを照らし合わせ、費用対効果を慎重に検討することが大切です。
通信制中学の偏差値は気にしなくていい
結論から言うと、「通信制中学」と呼ばれるフリースクールやサポート校に、高校受験で使われるような「偏差値」という概念は基本的にありません。したがって、偏差値を気にする必要は全くないと言えます。
その理由は、これらの施設の多くが学力試験による選抜を行っていないからです。入学の判断基準となるのは、学力テストの点数ではなく、お子さん本人の「ここで学びたい」という意欲や、施設の教育方針とお子さんの特性が合っているか(相性)です。面談や体験入学を通じて、お子さんが安心して過ごせそうか、学習を続けていけそうかをお互いに確認するプロセスを重視します。
もちろん、学習の遅れが心配なのは当然です。多くの施設では、小学校の範囲からの学び直しや、一人ひとりの理解度に応じた個別指導など、学力に不安がある生徒へのサポート体制を整えています。大切なのは、現在の学力レベルを測る偏差値ではなく、これからどのように学習の遅れを取り戻し、自信をつけていけるかです。施設のサポート体制が、お子さんの学習面の課題に合っているかどうかを見極めるようにしましょう。
通信制中学の一覧から選ぶポイント
インターネットで検索すると、多くのフリースクールやサポート校の一覧が見つかります。しかし、情報が多すぎてどこを選べば良いか分からなくなってしまうことも少なくありません。ここでは、お子さんに合った場所を選ぶための重要なポイントを解説します。
教育方針や理念の確認
それぞれの施設がどのような考えでお子さんをサポートしようとしているのか、その教育方針や理念をまず確認しましょう。「個性を伸ばす」「社会性を育む」「基礎学力を定着させる」「学校復帰を目指す」など、施設によって目指す方向は様々です。お子さんの現在の状況や将来の希望と、施設の方針が一致していることが、ミスマッチを防ぐ第一歩となります。
サポート体制の充実度
具体的にどのようなサポートが受けられるのかを詳しくチェックすることが鍵です。学習面では、個別指導なのか、少人数授業なのか。精神面では、カウンセラーは常駐しているか、どのくらいの頻度で面談が受けられるか。また、在籍中学校との連携は密に行われているか、出席扱いのための報告書作成などはしてもらえるか、といった点も重要な確認事項です。
通学スタイルと立地
毎日の通学が必要か、週に数日からでも良いのか、オンラインでの受講も可能かなど、通学スタイルは施設によって大きく異なります。お子さんの体力や生活リズムに合った無理のないスタイルを選ぶことが大切です。また、自宅からの通いやすさも継続のためには無視できない要素です。実際に通学経路を確認してみることをお勧めします。
在籍校との連携実績
フリースクールへの通学を在籍校の「出席扱い」にしてもらうためには、学校との連携が不可欠です。一般的に、在籍校の校長先生の判断により、フリースクール等で学習した内容を、成績評価の参考としてくれる事例があります。
長野で探すなら通信制の中学校サポート
長野県内で「通信制中学」の代わりとなる学びの場を探しているのであれば、通信制高校が運営する中学生向けのフリースクールや中等部が、有力な選択肢の一つと考えられます。
例えば、長野日大ラボ株式会社が運営する「長野日大ラボフリースクール・長野日大初等部・中等部」などがこれにあたります。
2025年7月中の開所を目指し、現在準備を進めていますが、学校法人長野日本大学学園が100%出資する子会社が長野日大ラボであり、地域に根差してきた初等・中等・高等教育のノウハウを生かしながら、学習スペースを提供するフリースクールとなります。
学習指導よりも、コンテンツ教材や、学習空間の提供に重きを置く施設ですが、長野駅徒歩0分のエリアに教室があり、長野日大の先生がスタッフをしているので、安心して通っていただけると思います。
長野県内には複数のフリースクールがあり、選択肢が多くあることが重要だと思っています。
ぜひ、通学圏内の方はご検討ください。
自分に合う通信制中学を探そう
この記事では、「通信制中学」について、その実態から不登校に関する様々な疑問、そして具体的な選択肢について解説してきました。最後に、お子さんにとって最適な学びの場を見つけるための要点をまとめます。
- 現代の中学生が新たに入学できる「通信制中学校」という制度はない
- 一般に「通信制中学」と呼ばれるのはフリースクールやサポート校のこと
- フリースクール等に通う場合も学籍は現在の中学校に置いたままになる
- 不登校の状態でも安心して通えるよう配慮された施設が多数存在する
- フリースクール等への通学が在籍校の「出席扱い」になるかは学校長の判断次第
- 出席扱いを得るには在籍中学校との事前の相談と連携が不可欠
- サポート校は卒業資格を出す機関ではなくあくまで学習支援の場
- 中学校の卒業資格は在籍している中学校から授与される
- 欠席日数だけで直ちに留年となることはないが高校進学には影響しうる
- 公的な支援機関として各市町村に「教育支援センター」がある
- 民間のフリースクールの学費は月額3万円~10万円程度が目安
- フリースクール等に入学する際に偏差値は問われないことがほとんど
- 施設を選ぶ際は教育方針やサポート体制、通いやすさを確認することが大切
- 長野県内では長野日大のように学校関係施設のフリースクールも有力な選択肢
- 最も重要なのはお子さん自身が「ここなら通いたい」と思える場所を見つけること